ケーキ屋での出会い☆
チーズケーキ失敗のおかげで思い出した。
失敗談はこちらです。
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家庭学習の事件簿② 〜お料理 - anko-no-nikki
あのケーキ屋さんでの出来事。
3日間だけの、社会研修。(教員5年目の研修)
いじわるで、
キレイなバイトリーダーさんを
のぞいては、
みんなとっても優しい方々だった、
ケーキ屋さん。
ドラマのような出会いを、
思い出した。
高校生のバイトの女の子。
とても笑顔がステキな、優しい子。
私の自己紹介を聞いてもらってから、
少し経って、
彼女が、話しかけてくれたことが、
すごいことだった。
「私、先生のこと知っているんです!」
え?
私は、知らない。
「実は、私、桜餅小学校の出身で、
お兄ちゃんが先生に音楽を教えてもらっていたんです。」
と。
びっくりして、
名札をチェック!
あ!
「うちのお兄ちゃん、授業態度、悪かったでしょ?」
「音楽も嫌いで。」
あーーー
「でも、先生の音楽の授業だけは、
楽しいんだって、話してくれてたんですよ。」
ぎゃーーーーーーーーーー
「私も、先生に教えてもらいたかったです。」
泣ける。
泣く。
思い返せば、彼女のお兄さんは当時6年生。
私は、大学卒業したての非常勤講師。
もともと、不器用だし、
得意なこともない。
家庭科、音楽にいたっては、
ひどく苦手。
でも、非常勤講師として雇っていただいた
桜餅小学校では、家庭科、音楽の専科。
もう必死。
6年生の音楽の授業、初めての授業後、
ある子に、
「ピアノも弾けないなんて給料泥棒だね。」
と言われた。
ピアノ弾けても、
「音楽」を
教えられなければ意味がないんだぞ!
と心で言い返すが、
凹みすぎて、言い返す元気をなくした。
次の授業から、
工夫に工夫を重ね、
先輩方からは斬新と言われる授業も行なった。
その時は、まだ珍しい、英語教育も取り入れながら。
ピアノも他の楽器も、何も得意なものはないけど、
音楽は大好き。
子どもたちにも、音楽を大好きになってもらいたい!!
そう心から願って、経験も技術もないままだが、
1年間、授業をやりきった。
私のように、得意に演奏できる楽器がなくても、
歌に自信がなくても、
「音楽」が好きでいられることは、
幸せなことなんだと、
伝わったかどうかわからぬまま、
別れ。
そして、何年も経って、
教え子の妹に、
感謝されるなんて。
3日間の社会研修を、
あのケーキ屋さんにしてよかった。
こんな出会いが待っていたなんて。
できないことだらけだけど、
あきらめないで、
よかった。
不器用は、いいことではないけど、
できない人の気持ちがわかって、
よかった。